DTPオペレーターとは？仕事内容や年収をご紹介します！

グラフィック・出版業界でよく耳にする「DTP」という言葉。「Desktop publishing（デスクトップ・パブリッシング）」の略で、原稿作成・編集・デザイン・レイアウトの作業を全てコンピューター上で行い、実際に印刷して出版に落とし込んでいく一連の工程を指します。この印刷物の制作に欠かせない存在が、DTPオペレーターと呼ばれる職種の人々です。 この記事では、DTPオペレーターの仕事内容や年収、なるために必要なことを解説します。ぜひ参考にしてください。

■DTPオペレーターとは

DTPオペレーターとは、ポスターやチラシ、書籍、パンフレットなどの印刷物の制作において、デザイナーが作成したレイアウトをもとに印刷用のデータを作成する職種です。パソコン上でデータの作成・編集・加工を行うため、専用のソフト（DTPツール：Adobe Illustrator、Photoshop、InDesignなど）を使用します。デザイナーがデザインしたビジュアル部分とライターが考えた文章を指示通りにデータに落とし込む業務のため、決められたことをきっちりとミスなく行うことが重要となります。最近では、グラフィックデザイナー（DTPデザイナー）のデザイン業務とDTPオペレーターの業務を兼務するケースも増えています。

■DTPオペレーターの仕事内容

DTPオペレーターの仕事は、デザイナーが作成したレイアウトを、DTPツールを用いて印刷用のデータに仕上げることです。具体的には、以下の業務に携わります。 ①データのフォーマット作成 デザイナーが作成したレイアウトをもとに、印刷用のデータのフォーマットを作成します。印刷時のベースとなるフォーマットのため、間違いのないよう正確に作る必要があります。フォーマットには、紙面のサイズやフォントの種類、フォントのサイズといった、デザインを決める重要な情報が含まれています。デザイナーの指示を正しく反映させましょう。 ②データ入力とレイアウトの調整 指定された写真やイラスト、ライターが制作した原稿を、フォーマットに入力していきます。指定されたものを指定された箇所に正しく配置することが大切です。ミスがないよう気をつけましょう。また、フォーマットに流し込んだデータはそのまま印刷できるわけではなく、レイアウトを調整する必要があります。具体的には、色調補正、文字組み、行間ルール、禁則処理などです。DTP特有のルールが設けられているため、それに従ってデータに調整を加えます。 ③校正・修正 印刷用のデータが完成したら、原稿内容やレイアウトに誤りがないか、校正します。まず自分で校正したのち、校正担当者が確認します。校正担当者からの修正指示に従い、データの修正、再校正を繰り返します。校正が完了したら、クライアントや印刷会社にデータを納品し、作業完了となります。

■DTPオペレーターの年収

厚生労働省のデータによると、DTPオペレーターが属する主な職業分類の平均年収は423.5万円となっていますが、実際の求人のボリュームゾーンは300~400万円ほどです。一般的な年収よりも低い傾向にありますが、データの入力や作成だけでなくデザインまで制作できる場合は、より高い年収を目指すこことができます。 （2024年4月調査）

■DTPオペレーターになるには

DTPオペレーターになるには、未経験OKの求人に応募し、現場で経験を身につけていくことがおすすめです。DTPオペレーターは、デザインに関連する職種の中では比較的単純な業務が多く、未経験可のアルバイトや派遣の求人も多く存在します。基本的なPCスキルがあれば応募可能なため、DTPオペレーターを目指す方は、まず求人に応募しましょう。現場で実際にDTPツールを使用しながら操作・業務を覚えていきます。

■DTPオペレーターになるために役立つ資格

DTPオペレーターになるために必須の資格はありません。取っておくと有利な資格としては、以下のものがあります。 ・DTPエキスパート ・DTP検定 ・色彩検定 「DTPエキスパート」や「DTP検定」は、DTPに関する幅広い知識を問う試験で、DTPの技術・知識の証明に有効です。また、「色彩検定」は色に関する知識や技能を測定する試験です。デザイン業界では持っている人も多く、取得して損はない資格です。

■まとめ

DTPオペレーターは、印刷物を形にするうえで絶対に欠かせない存在です。デザイナーやライターの指示を正確に反映し、データに起こしていく縁の下の力持ちともいえるでしょう。また、手掛けた印刷物が現物となって多くの人の目に触れるため、やりがいも感じられます。デザイン業界においては比較的未経験からでも挑戦しやすい職種のため、将来デザイン業界でキャリアアップしていきたい！という人におすすめです！