脚本家とは？仕事内容や年収をご紹介します！

映画やドラマのストーリーに感動したり、泣いたり、笑ったり…作品の純粋な面白さを左右するのは、脚本と呼ばれる作品のシナリオです。この映像作品のシナリオを手掛けているのが、脚本家と呼ばれる人たちです。この記事では、脚本家の仕事内容や年収、なるために必要なことを解説します。ぜひ参考にしてください。

■脚本家とは

脚本家とは、映画やドラマなどの映像作品のシナリオ（＝脚本）を書く職種です。シナリオライターと呼ばれることもあります。脚本には、作品の登場人物のセリフや行動、心理状況、そのシーンの場所や状況が記されています。オリジナルの場合は0から書き上げますが、原作物の場合は小説や漫画の内容に脚色を加えながら映像作品向けの脚本を仕上げていきます。脚本家は1つの作品につき必ずしも1人ではなく、複数の脚本家が共同で制作したり、監督が脚本家を兼務する場合もあります。

■脚本家の仕事内容

脚本家の仕事は、映像作品のシナリオを書くことです。具体的には、以下のような業務に携わります。 ①企画書をもとに打ち合わせ 脚本家は、監督やプロデューサーから仕事の依頼を受けます。依頼を受けたらまず企画書を読み、それをもとに監督やプロデューサーと作品についての打ち合わせをします。ここで関係者と作品をどんな方向性に仕上げていくか、世界観はどうするか、といった内容を細かく決めていきます。場合によっては、脚本家が企画段階から携わることもあります。 ②取材や資料収集 作品の方向性が定まったら、必要に応じて作品の舞台や職業や業界を調査します。実際にその舞台に訪れたり、プロに取材をしたりしてリアリティを追求していきます。時代背景やテーマに関連する事柄を調べて、脚本に落とし込みます。特に歴史ものなどは、史実にどれだけ忠実にするか、伝承や仮説をどこまで取り入れるかなどを考える必要があります。あまりにも現実とかけ離れてしまうと、批判の対象となるため注意が必要です。 ③脚本の執筆、修正 打ち合わせや取材・調査で集めた資料をもとに、脚本を執筆していきます。脚本は、「柱書き」「ト書き」「セリフ」で構成するのが一般的です。 柱書き：シーンの最初に書かれ、その場所と時間を示したもの ト書き：セリフ以外の、登場人物の動作や行動、心情などを示したもの セリフ：そのシーンで登場人物が発する言葉 まずはプロットと呼ばれるあらすじを書き、そのあとト書きやセリフなどの細部を作り込みます。原作物の場合は、原作を丁寧に再現しつつ、オリジナル要素を加えていく按配が重要となります。書き上げた脚本は、監督やプロデューサーが確認し、フィードバックをもらいながら修正を加えていきます。

■脚本家の年収

脚本家の年収には、公的な統計データはありません。一般的に脚本家は企業に所属する会社員ではなく、フリーランスとして活動しています。そのため、年収の幅は広く、アルバイト等で生計を立てる人もいれば、人気脚本家として1000万円以上の収入を得る人もいます。シナリオコンクールへの応募などで実績を積み、知名度を上げていくことで1脚本の値段をあげることができます。また、脚本には印税が発生するため、過去に執筆した脚本の作品が再放送されたり、ノベルティ化されることによって定期的に印税収入を得ることができます。 （2024年1月調査）

■脚本家になるには

脚本家になるには、多くの場合映像制作会社やテレビ局、映画制作会社で働きながら脚本執筆の活動を続け、実力を認めてもらってデビューします。しかし、実際に脚本家になる方法として定まった道はなく、コンクールに応募して賞を獲得し電撃デビューすることもあれば、SNSでの発表を続けて知名度をあげ、作品化の声をかけてもらうこともあります。実力とコネクションが重要となるため、映像関係の業界で働きながら、自主的に脚本の執筆・公開を重ねていくことが大切です。

■脚本家になるために役立つ資格

脚本家になるために必須の資格はありません。 視聴者や観客を魅了する構想力・表現力・文章力が必要とされます。また、柱書きやト書きといった脚本ならではの執筆ルールもあるため、脚本に関する基礎知識や、脚本執筆に使用するパソコンソフトのスキルを学んでおくことも大切です。

■まとめ

映画やドラマの面白さを左右する脚本。それを作り上げる脚本家には、魅力的なシナリオを書くための豊かな発想、文章力が求められます。脚本家の世界は完全実力主義のため、人気脚本家として活躍するまでの道のりは過酷な瞬間もあります。しかし、自分の書いたシナリオが作品として世に出て評価されることで、大きなやりがいを得ることができるでしょう。脚本家を目指したい！という人は、まず映像関連の業界に関わりながら、脚本を自主制作することに挑戦してみてください。