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第6回 FFF-S 2023
開催報告

日時:2023年12月17日
場所:渋谷 ユーロライブ

※2024年12月まで公開

fff-s6th 授賞式

全国から寄せられた116作品の中から一次審査通過8作品、特別招待6作品を選出。
渋谷 ユーロライブにて開催された映画祭では、計14作品が上映され、授賞式が行われました。
最優秀賞をはじめ、各受賞作品は、BSフジにて放送されました。

最優秀賞(賞金50万円)

Pur

Pur

村主 匠人 日本大学芸術学部4年

グランプリをいただきありがとうございます。
今回の作品は、これまでの人生や体験の中から重要なシーンや問題との向き合い方、美しいと感じる瞬間などを映像に落とし込んだものです。
映像の持つ美しさや繊細さというものをどう生かすか考えた結果、セリフはなくナレーションをガイドに少し曖昧さを足すという選択をとりました。それは、作品を見てくれた人間の内側から生まれる感情を大切にしたいからです。
テーマは主に抑圧された感情と、人が生まれながらに持つ感性や衝動、探究心などを織り交ぜたものです。これまでの個人的な記憶や社会などの力を受けながらでも、必ず存在する心の声に耳を傾けるきっかけになってくれたら嬉しいです。

優秀賞 ドラマ・ドキュメンタリー部門(賞金10万円)

銃と世界地図

銃と世界地図

山里 悠真 多摩美術大学3年

特別招待作品までとても素晴らしい作品が揃うなか、受賞できて光栄です。受賞作品を鑑賞する中で自分に足りないものと自分の武器を見つけることができてとても勉強になりました。また、今回初めてショートフィルムを完成させて、映画を作ることの大変さを知りました。協力してくださった役者の皆さんやスタッフ、そして僕を囲んでいる数々の素晴らしい作品に感謝の気持ちでいっぱいです。どれが欠けても今回の受賞には至らなかったと思います。これからも面白い物語を作り続けたいと思います。

優秀賞 ドラマ・ドキュメンタリー部門(賞金10万円)

別れ下手

別れ下手

中谷 太河 ビジュアルアーツ専門学校 放送・映画学科2年

この度は優秀賞という素敵な賞に選んでいただきありがとうございます。
「別れ下手」は自身2本目となる作品で別れるカップルの話に無駄要素を付け足して違和感を覚えさせて展開させていく映画でした。この映画を様々な方々から評価していただいたことをとても嬉しく思います。
それと映画祭で会った同世代の人たちにお会いできてとても嬉しかったです。どの作品も圧倒される想像力や技術力でこの人達と一緒に映像業界を盛り上げていきたいと思えるような人達ばかりでした。この先、才能ある方々に私も遅れを取らないようにしたいと思います。
これからも映画は作っていくつもりなので応援していただけると幸いです。

ソニーミュージック賞(賞金30万円相当)

Monolith

Monolith

福嶋 颯汰 多摩美術大学4年

この度はソニーミュージック賞を頂けたことを大変嬉しく、光栄に思っております。このような賞に選ばれたことは、『Monolith』を完成させるまでに注いできた自身の熱や時間、そして制作に関わった方々のご協力全てが報われたように感じています。
本作は、主人公の男がパートナー救出を願う理性と、眼前の美しい景色をカメラに収めたい写真家としての本能との間で葛藤する物語です。衝動的な行動は、通常ではするはずのない動きや、ある種の残虐性も孕んでいます。ふとした瞬間にカメラを構える私たち現代人にも、これに似たものが確かにあるのです。濃いルックのアニメーションと共に楽しんでいただけますと幸いです。

観客賞(賞金10万円)

THROUGH

THROUGH

今井 環 名古屋市立八幡小学校6年

たくさんの良い作品の中から、短編映画『THROUGH』に投票してくださった方々、観てくださった方々、本当にありがとうございました!
そしてフェローズフィルムフェスティバル様にお世話になり、そのおかげでメディアに出演させていただく機会が増えました。本当にありがとうございます!
今回の大会で、審査員の方々や学生監督の皆様から、ありがたいアドバイスをたくさんいただきました。
これからもこの経験を活かして「映画」を作り続けたいです。
もっともっと良い作品を作れるように頑張ります。今回はありがとうございました。

審査員特別賞(賞金3万円)

マルチバースの僕

マルチバースの僕

宮本 雄伍 文化学園大学杉並高等学校2年

何も考えなくても笑って感動できて楽しいエンタメに振り切った作品を作ろう!と思い撮りました。というのも僕が撮るものは殆どがそうで、僕自身もそういった映画を観るのが好きです。
『マルチバースの僕』は、いっぱい僕が登場します。昔から同じ画面に同じ人が複数人いたり、一人二役で「ドッペルゲンガー?!」みたいな映像が好きで、自分でもよく撮って遊んでいました。最近マルチバースを題材にした映画が増えてきて、「これだ!」と思い2つを掛け合わせてできたのがこの作品です。
撮った張本人の僕的には、作品を見返していると無意識に粗探しをしてしまい反省点だらけですが、色んな人に楽しんでいただけたら嬉しいです。

審査員特別賞(賞金3万円)

地雷戦士

地雷戦士

村田 子珠 京都精華大学2年

自分のアイデアから生まれた作品がこのような名誉な賞をいただくことになり、とても嬉しく思います。私だけでは取れなかったものであることは自明の理で、参加してくれたスタッフが一人一人責任を果たし、仕事で応えてくれたのが何よりも大きいです。今回の受賞により、「これから自分はもっと上を目指せる」という自信を持つことが出来ました。私の創作に対する思いを受け止めてくれたスタッフ、本映画祭の関係者様には感謝しかありません。今度は私が受け取ったものを周りに与えられるようになれたらと思います。ありがとうございました。

審査員審査員

瀬々 敬久

瀬々 敬久

映画監督

1960年、大分県出身。京都大学在学中から自主映画を製作。1989年『課外授業 暴行』で監督デビュー。以降、『MOON CHILD』(2003年)、『感染列島』(2009年)などの劇場映画から、ドキュメンタリー、テレビなど様々な作品を発表。『ヘヴンズ ストーリー』(2010年)が第61回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)の二冠を獲得、同作で芸術選奨文部科学大臣賞映画部門を受賞した。『アントキノイノチ』(2011年)が第35回モントリオール世界映画祭でイノベーションアワードを受賞。『64-ロクヨン-前編』(2016年)では第40回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。近作に『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017年)、『友罪』(2018年)、『菊とギロチン』(2018年)、『糸』(2020年)、『明日の食卓』(2021年)、『とんび』(2022年)、『ラーゲリより愛を込めて』(2022年)など。最新作は『春に散る』(2023年8月)

清水 崇

清水 崇

映画監督

ブースタープロジェクト所属。
1972年群馬県出身。大学で演劇を学び、助監督を経て1998年に監督デビュー。オリジナル企画『呪怨』シリーズ(1999~2006)はVシネ、劇場版を経てハリウッドリメイク。日本人監督初の全米No.1に。
近作に『犬鳴村』(2020年)、『樹海村』(2021年)、『牛首村』(2022年)の“恐怖の村シリーズ”。ホラー以外に『魔女の宅急便』(2014年)、『ブルーハーツが聴こえる/少年の詩』(2017年)、『ホムンクルス』(2021年)など。
日本科学未来館にて、プラネタリウム『9次元からきた男』(2016年)が上映中。
2023年は6月に『忌怪島』、8月に『ミンナのウタ』と2本の映画が公開された。

広山 詞葉

広山 詞葉

女優・プロデューサー

1985年広島県出身。フロム・ファーストプロダクション所属の俳優。
NHK『ひきこもり先生』、フジテレビ『最後から二番目の恋』、テレビ朝日『やすらぎの郷』、TBS『SPEC』シリーズなどのテレビドラマや、映画『ヘルタースケルター』『ファーストラヴ』などに出演。
2017年より女優業と並行し、映画の企画・プロデュース活動を開始。
堤幸彦監督とタッグを組んだ映画『truth~姦しき弔いの果て~』では海外映画祭にて8冠を獲得。
国内外の映画祭にて俳優・プロデューサーとして数多くの受賞歴を誇る。
現在、FFF-S審査員をつとめるとともに、学生映画監督育成を目的としたFFF-S BEYONDのプロデューサーも担当。
2023年11月29日〜舞台『嫌われ松子の一生』に主演・川尻松子役にて出演。

東 紗友美

東 紗友美

映画ソムリエ
 

映画ソムリエ。テレビやラジオでの映画紹介、各種媒体での映画コラム執筆、映画イベントMCなどが主な活動領域。
ビジネスホテルや美容院など業界専門チャンネルでも、ターゲットに合った映画を解説している。「sweet」「大人百花」「CLASSY.」など同世代の女性誌での連載も人気。
映画をキーワードに人と人を繋ぐ「バヅクリ」のセミナー講師も2023年より従事。
映画業界を盛り上げる存在になるべく日々奔走。
SNSでは毎日、映画情報を配信している。
フェローズが運営するWEBマガジン「クリエイターズステーション」で劇場公開映画爆走レビュー「もう試写った!」を連載中。

伊藤 伴雄

伊藤 伴雄

株式会社ディグ&フェローズ
映画プロデューサー

近年の代表作は、『追憶』降旗康男監督 岡田准一主演/東宝 (2017年)、『峠 最後のサムライ』小泉堯史監督 役所広司主演/松竹、アスミック・エース(2022年)、『とんび』瀬々敬久監督 阿部寛主演/KADOKAWA(2022年)、『ファミリア』成島出監督 役所広司主演/キノフィルムズ(2023年1月)がある。
その他、『王妃の館』『少年H』、ユニバーサル映画製作『ミスター・ベースボール』、高倉健主演『あ・うん』『夜叉』等、映画界で長きに渡り活躍。

野儀 健太郎

野儀 健太郎

株式会社フェローズ
代表取締役社長

株式会社リクルートを経て、クリエイティブ人材会社・株式会社フェローズを2003年4月に設立。
映画プロジェクトを立ち上げ、『恋のしずく』川栄李奈主演(2018年)、『ブルーヘブンを君に』由紀さおり主演(2021年)、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞〔優秀監監督賞〕を受賞した『スパイの妻』黒沢清監督 蒼井優主演(2020年)、『峠 最後のサムライ』小泉堯史監督 役所広司主演(2022年6月)、『ファミリア』成島出監督 役所広司主演(2023年1月)、『レディ加賀』小芝風花主演(2024年2月公開)等、劇場公開映画への出資や映画祭への協賛を行なっている。

第6回 FFF-S 2023
一次審査通過作品

1

THROUGH

今井 環 名古屋市立八幡小学校6年

documentary:4分14秒

部長のパワハラにうんざりしていた会社員酒井凛花に突如謎のパーカー男が襲い掛かる。現代社会で感じるストレスを、サスペンスで表現しました。前回の大会で得た賞金で購入したドローンを使って撮影したシーンもあります。ぜひ過去作よりパワーアップした「THROUGH」を観て下さい。

2

マルチバースの僕

宮本 雄伍 文化学園大学杉並高等学校2年

Drama:4分14秒

ある日、男の部屋のクローゼットの中に光が見えた。男が恐る恐るクローゼットを開けようとすると、中から自分と同じ顔をした男が出てくる…

3

別れ下手

中谷 太河 ビジュアルアーツ専門学校 放送・映画学科2年

Drama:4分13秒

彼女の別れ話に彼氏が違和感を覚え、いつしか話がズレていくコメディ‼ある時、街中でペアルックのカップルを見かけ、とても幸せそうに感じました。しかし携帯をひらくとそこには有名人の破局関連の報道ばかり。どれだけ幸せそうなカップルでもいつかは終わりが来てしまうことがある…。一見真逆に見えるイメージをあえて重ね合わせてみることで悲しいことも明るくさせられるコメディ映画になると感じました。

4

伝統の灯火

篠瀬 颯人 名古屋学芸大学2年

Documentary:4分15秒

愛知県岡崎市の伝統産業のうち郷土工芸品である和蝋燭を受け継ぎ、脈々と作り続けている松井和蝋燭工房さんに取材させてもらい作品を制作した。伝統を守り続け、全て手作業で作るということにフォーカスを当て、職人感が強調できるような色味・演出にした。また、インタビュー映像を入れて内容に立体感を出し、ダラダラと長いドキュメンタリーではなく比較的短い映像にしてスタイリッシュかつ綺麗に纏まるように心がけた。

5

銃と世界地図

山里 悠真 多摩美術大学3年

Drama:4分13秒

「第三者が知り得ない美しい世界」をテーマに制作しました。昨今のジェンダーマイノリティを扱った映画の著しい増加に疑問を抱いたのがきっかけです。映画で社会問題などを訴えるのは大切なことですが、あまりに増えすぎています。人のネガティヴな面を描くときはもっと慎重になるべきです。その人にしか分からない美しい世界を持っているはずです。私たちは人の明るい面を信じることを忘れてはいけないと思います。

6

町の平和を記録する~半世紀の地域文化貢献~

銭 晟揚 上智大学3年

Documentary:4分15秒

長野県御代田町にある世界一小さなテレビ局。スタッフは社長の石川伸一氏を含めて2人。40年以上、毎日欠かさずこの町のあらゆる「平和」を記録し続けてきた。町の「記録係」として、文字通りの地域密着放送。ケーブルの自主放送であらゆる日常を捉え続けていた彼、今日もこの町を走り回っている。

7

Pur

村主 匠人 日本大学芸術学部4年

Drama:4分13秒

日常で感じる形の見えないモヤモヤした感情の正体や、それらが何から生まれてどのように薄れていくのかを映像で表現しました。映像を通した対話と気付きを大切にしました。人間には想像力があり、だからこそ弱さや強さ苦しみを認識するために、時に大きな勇気と覚悟が必要になる時があるということです。この作品を見る誰かの支えになればと思います。

8

藍のアトリエ

松本 魁 立命館大学1年

Drama:4分12秒

青春を捨て、友人を捨て、健康も財産も視力も、人生の全てを絵を上手くなることに捧げた芸術家が、AIイラストにより職を失い、路頭に迷いながらも自分にとって絵とは何なのかを再思する物語。

第6回 FFF-S 2022
特別招待作品

1

夏に喰われて、

小林 翔汰 京都精華大学3年

Anime:4分00秒

自殺した高校生が、死後の世界で夏の景色の美しさに魅了され、現実にしかない美しい景色を求め元の世界へ戻ろうとするアニメーションMVです。

2

Monolith

福嶋 颯汰 多摩美術大学4年

Anime:4分03秒

旅行中の写真家の男は、正体不明の民族集団に拉致されたパートナーを救出すべく荒野を彷徨う中、ポツンと屹立するモノリスを目にする。彼女を救出したい、眼前の美しい景色を写真として自らの手に収めたい、2つの鬩ぎ合う感情を持ちながらも男は歩みを進める。この作品では、人間性を失うほどの圧倒的な美しさを前に「反転した男の倫理観」を描くことで、「人間の持つ二面性」を表現した。

3

絶対に梅雨の間毎日走ると決めたカエル

長坂 康平 東京藝術大学 大学院映像研究科 アニメーション専攻2年

Anime:4分13秒

梅雨の間毎日走ると決めて3年目のカエル。毎年サボってしまうので、今年こそは絶対に走り切ると意気込んでいる様子です。空回りしないといいけど....梅雨の間、SNS(X、Instagram、YouTube、TikTok)で毎日投稿した作品を一つにまとめたものです。自分の心境の変化や、お客さんの反応を見ながら、毎日その日に制作し投稿するというライブ感のある制作を行いました。

4

殺害計画

石下 翔太郎 小山工業高等専門学校2年

Drama:4分14秒

トムとジェリーのような、面白い動きのある映画を作ろうと思い、出来た作品です。少し根暗な主人公が、好意を寄せていた女子の好きな人を知り、それが気に食わず男子の方を殺してしまおうと考えている、というお話です。面白い動きを作るにあたり、クロスボウが出てくるシーンでは黒澤明監督が使用した手法で矢を飛ばしています。

5

姉妹

佐々木 優妃 大阪成蹊大学3年

Drama:4分13秒

この作品は私自身と妹の関係性から着想し、初めて脚本から制作しました。何でもすぐにぶつかってしまうし、素直になれず仲直りの仕方も分からない、でも一緒にいる。もしかしたら姉妹というものは、ある種「奇跡」の様なものなのかもしれません。そんな友達とも恋人とも違う、独特な距離感を表現した作品となっています。

5

地雷戦士

村田 子珠 京都精華大学2年

Drama:4分02秒

依存からの脱却をテーマとし、自らに甘い言葉をかけ利用してくる都合のいい存在の彼氏を倒し、現実を生きようとする主人公を描く。魔法少女風のアニメと特撮風のアクションを使いヒーロー作品特有の雰囲気やテンポ感を演出している。ヒーローモノが持つ直接的な表現を避け、思考しないことの決定権を視聴者に委ねるという手法そのものが主人公ユメミが直面している問題とリンクするような工夫を施し、構造的にテーマを表現した。

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